晶子のふるさと 山之口商店街

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山之口商店街 概要

商店街概要

山之口商店街について

アスティ山之口(山之口商店街)は堺市堺区を南北に縦断する路面電車、阪堺電軌の大小路から宿院駅に沿って、北から順にかつての堺のメインストリート、大小路と交わる市之町。中央に位置し、開口神社の参道と隣接する甲斐町。戦後の堺市復興のシンボルとなった大動脈、フェニックス通りに至る大町。の3つのブロックからなります。

アスティ山之口の位置する旧堺地区は環濠地区とも呼ばれ、戦国時代から国際貿易港として繁栄を極め、有力商人を中心とした高度な自治が行われていました。

また、明治時代から昭和初期にかけても堺市および大阪東南部の中心地として文化的、経済的に栄え今に至ります。

現在、わが国の地域商業を支えてきた商店街の多くで「シャッター通り化」が進行している。『商店街実態調査報告書(平成21年度)』によれば、実に全国の8割近い商店街が衰退もしくは停滞の過程にある。堺山之口連合商店街振興組合(以下、山之口商店街とよぶ)もその例外ではなく、店舗数は最盛期の半分、およそ40店舗まで減少している。

山之口商店街が堺市内の商店街のなかで、最も古い伝統と歴史を誇っていることに疑いはないが、いつごろに形成されたのかは明らかでない。『堺あれこれ』によれば、文化文政のころ、宿院に「大寺の芝居」というものができ、その周辺に遊芸や見世物の小屋、飲食店が自然に集積し、この歓楽街のつづきに、呉服や装身具、おもちゃなどを扱う店が並ぶようになったという。当時、現在の宿院公園あたりには「名越の丘」という小丘があり、人々はこの丘を「お山」、その入り口を「山ノ口」と呼んでいた、と言われている。そして、このような長い歴史を持つ山之口商店街で高価な専門品を買うことが人々の1つのステイタスになるほど、山之口商店街は第2次大戦後まで、大阪の心斎橋と並ぶ、第一級の繁華街であった。

晶子(鳳志よう)は1878(明治11)年12月7日、堺県堺区(現在の堺市堺区甲斐町)で和菓子商「駿河屋」を営む鳳宗七の三女として生まれた。駿河屋は現在、生家跡として印されていて、紀州街道の西沿いに、歌碑「海こひし潮の遠鳴りかぞへつヽ少女となりし父母の家」と、当時の駿河屋と大道筋の様子を描いた説明板が設置されている。1884(明治17)年には、現在の住吉大社宿院頓宮あたり(堺市堺区東二丁)にあった宿院尋常小学校に入学する。その後、堺女学校(現在の大阪府立泉陽高等学校)に入学し、1892(明治25)年に卒業、さらに補習科で2年間学んでいる。このように、山之口商店街の周辺は晶子が小学校や女学校へ通った地域であり、まぎれもなく、晶子が生まれ育った唯一の「ふるさと」である。

2009(平成21)年3月7日、山之口商店街に晶子の詩歌が書かれた垂れ幕(フラッグ)が登場した。詩歌には「ふるさと・堺を詠ったもの」と「晶子の生涯を窺えるもの」が山之口商店街と与謝野晶子倶楽部の有志によって選択された。垂れ幕は全部で40枚あり、晶子が好んだ紫色と山之口商店街のシンボルカラーであるオレンジ色の裏表からなる。紫色の垂れ幕には和服姿の晶子が、オレンジ色の垂れ幕には洋装に帽子をかぶった晶子が描かれている。また、晶子の生涯がわかるように、垂れ幕は時系列に並べられていて、商店街を訪れる人が晶子に親しみを感じるような工夫がされている。

現在、山之口商店街では、晶子による活性化活動が勢いづいている。そこで、できるだけ多くの人に与謝野晶子の素晴らしさを知ってほしいとの想いから、山之口商店街は今回、この80首の詩歌の歌意と解釈をまとめた本冊子を作成することにした。歌意と解釈は詩歌の選択に最も尽力された与謝野晶子倶楽部の松永直子氏によって執筆されたものであるが、非常に豊かな内容で私自身も勉強させて頂いている。是非、多くの人に山之口商店街に足を運んでもらい、本冊子を手にとって、晶子の詩歌のよさを感じ取ってもらいたい。そして、山之口商店街がかつてのような賑わいのある商店街として再生することを、私は誰よりも強く願っている。

【参考文献】
堺市立文化館与謝野晶子文芸館『与謝野晶子と故郷堺
(生誕130年記念特別展パンフレット)』2008年.
全国商店街振興組合連合会『商店街実態調査報告書(平成21年度)』2010年.
松本荘吉・岸谷勢蔵『堺のあれこれ』堺商工会議所、1974年.
渡辺庫治・小谷方明編『ふるさとの思い出写真集 明治・大正・昭和 堺』図書刊行会、1980年.

(小川雅司=羽衣国際大学准教授)

1903年商店街風景 昭和初期商店街風景
1903(明治36)年ごろの
山之口商店街(山之口筋)
(出典)『ふるさとの思い出写真集 堺』
21ページ
昭和初期の山之口商店街の
歳末大売出しの様子
(出典)『堺あれこれ』
155ページ

アスティ山之口へのアクセス

◇最寄り駅:南海本線堺駅から徒歩10分

◇最寄り駅:南海高野線堺東駅から徒歩15分

◇※両駅よりシャトルバスもご利用いただけます。 また、阪堺電軌(ちんちん電車)大小路・宿院各電停からは徒歩1分